図書室

木下先輩との帰りはすごく楽しくて、うちの高校のごく一部の人間しか知らないような話や自分のことを教えてくれた。それは電車の中でも同じだった。

終点が近づいてくると、一緒に駅から降りて改札を通ったときもうすぐでこの人と離れてしまうんだ、という思いがでてきて、離れるのが少し寂しかった。

「今日はいきなりごめんね。」

私の少し前を歩いていた木下先輩は振り返って言った。

「全然。すごく楽しかったですよ。また聞かせてください」

わかった、と木下先輩は言って

「じゃ、また明日」

最後にいつもの笑顔をして帰って行った。


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