ゆん坊
部屋に入るとお母さんは床を雑巾で掃除していた


「お腹すいた? 時間もないし今日はこれで我慢してね」


お母さんは、床掃除をやめて僕にジャムパンをくれた


2人で床に座り、ジャムパンを食べた


「ねぇ、ゆうき。お母さん明日からすぐにでも働きに行きたいんだけどな…。夕方6時から夜遅くまで…。 一人でいい子にお留守番出来る?」


お母さんはジャムパンをちぎりながら、悲しい顔で僕に言った



「大丈夫だよ! 1人でも」


…寂しさと不安でいっぱいだった…


僕はジャムパンを大きな口を開けムシャムシャと元気よく食べた



お母さんに強いところを見せたかった



僕はジャムパンを食べ終わると雑巾を持って床を拭き始めた



お母さんはまだジャムパンを食べながら僕を見ている



「あら、お手伝いしてくれるの? いい子ね」



お母さんは笑顔で僕を見てくれている


僕はただ床を見つめ力一杯に床を拭いた


左手のデジタル時計を見ると夜7時だった

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