ゆん坊
「みんな、何をしているんだ」



教室のドアが開き、先生が入ってきた



みんなは一斉に席についた



僕は下を見ながら涙を手で拭った



「今日はこれで終わりだ。残りの夏休みもケガの無いように元気に遊ぶんだよ!」



僕は先生の言葉をうつむいたまま聞いた



日直が“起立”の号令をして全員が立った



僕も机に両手を置いて立ち上がった



全員で挨拶をして、下校時間になった



僕は、ランドセルをつかむと一番に教室を走って出ていった



学校を出ると同時に、また涙が出てきた



“どうして… どうして……”



泣きながら何度もつぶやいた



駆け足で道を走って行った




まだお昼前のことだった


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