ゆん坊
…キレイな花だった




“……誰が…こんなこと……”




僕はクラスのみんなを見ることが出来なかった




下をうつむいたまま、席に座った




クラスメイト達のヒソヒソ声が聞こえてきた






「あいつ来たよ…」





「人殺しの息子…」






耳をふさぎたかった…





教室のドアが開いた







先生が入って来た





僕と一瞬目が合った





先生は僕の机の上の花瓶に飾られた花を見た






「今日の日直は誰だっ!」




先生は大声で怒鳴った





日直当番の男子と女子が驚いて立ち上がった





「お前たちっ! 花瓶の水は朝一番に変えておくようにな! 花は生きているんだから」





先生は笑顔で日直に言った





< 28 / 43 >

この作品をシェア

pagetop