ゆん坊

……自然に目が覚めた



寝ている僕の目の前にお母さんがいた



“…お母さん”



お母さんは眠っていた



僕は、目の前のお母さんの寝顔に頬をくっつけてもう一度目を閉じた



“お母さんの匂いがする…”



僕は、お母さんの腕にしがみついた



外は明るかった



デジタル時計を見ると9時48分だった



お母さんがいつ帰って来たのかは分からなかった



僕がいつ寝たのかも…



暗闇で泣いていたことしか覚えていない…




「……う~ん…」


お母さんが目を覚ました


目の前の僕を見るとお母さんは



「…おはよう…。…今何時?」



優しく笑って、また目を閉じながら僕に言った



「今はこれだよ」



僕はデジタル時計をお母さんに見せた



お母さんは薄目を開けて時間を見ると



「…もう少し寝てよ~ね」



顔に布団を被せながら言った



こんな時間が僕には幸せだった



僕も顔を布団の中に入れてお母さんにしがみついた



かすかにお化粧の匂いがした


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