ゆん坊
夕方の道は人がたくさん歩いていた



家の前に水をまいているおばさん


“…怖そうだな…敵かな…”



自転車に乗ったおじさん


“優しそうだな…味方かな…”




鬼ごっこをしているお兄ちゃんたち…




…お兄ちゃんたちは僕に気付いてこっちを見ている



僕はおもわず下を見て目をそらしてしまった…



そのまま道を走り出した


“なんでだろう…”



弱い自分を認めたくなかった



そのまま歩いていると、道のつきあたりの広い空き地にたどり着いた



僕は空き地の中に入り草の上に座った



“もう一度…戻ってお兄ちゃんたちとお友達になろうかな……”


“何年生だろう…あのお兄ちゃんたち…”



草の上でいろんなことを考えた



空を見上げると夕日が出ていた



“きれいだな… もうすぐで暗くなるかな…”



急に寂しくなった



その時、後ろから男の人の大きな声がした



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