ゆん坊
「お~い ぼうず! 何してるんだ~」



後ろを見るとおじさんが立っていた



「ここは危ない所だから入っちゃダメだよ! それにもう暗くなるから早く家に帰りなさい」


おじさんは僕の横に近づいて言った


僕は小さくうなずき、立ち上がり帰ろうとした


空き地を出ると帰る方向を確認しようと、一度立ち止まり周りを見渡した


道はすでに暗くなっていて怖かった…


僕が立ち止まったままでいると、すぐに後ろからおじさんの声が聞こえた


「…ちょっと待てよ…ぼうず…迷子か?」


おじさんはまた僕の横に来た


僕はうつむいたまま動くことが出来なかった…



「う~ん… 家まで送っていってやるよ。仕事片付けるから待ってろ。とにかく一緒に来い」



おじさんは僕の手をつかんで空き地の方へ歩き出した

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