革命の☆詩
注目はステージの彼らから扉を開け放った奇妙な彼らに移った。
迷彩服の軍人、いくらパンクのライブといえどそんな奇妙な成りの客はいない。更に奇妙な事に先頭に立つ男は黒スーツにオールバック、サングラスという出で立ちだ。

「…あのう…どちらさんでしょうか?モッズのライブではないんですが…」
とっさに出た寺山のMCにも彼らは動じなかった。無表情なまま黒スーツが言い放った。

「皆さんには残念なお知らせです。本日施行される新法。その法律の合格基準に皆さんの音楽は不可となりました…。よって速やかに演奏を中止しなさい。さもなくば強制的に中止となります…以上」

沈黙…沈黙。パンクスのような者たちにいたってはこの文化狩り法案を知らないものも多かったし、知っている者も本気にしてる者はいなかった。
「ちょっと待ってください!」

そう言ったのはステージの寺山ではなく楽屋から出てきたマネージャーの内田だった。

「そんな勝手な…だいたいそんな自由を奪うような法律許されるんですか?」

「そうだ!ふざけんな」

観客たちからも賛同の野次がでる。
一転ライブハウスは騒がしさに包まれる。

今にも興奮した観客が殴りそうな空気まで出た時、乾いた炸裂音が響きわたった。
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