【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】
A wish and hope
『博士、たまの骨休みも
良いものですね♪
こんなにゆっくり、のんびり
するのは久しぶりです♪』
博士とサミュエルは
ハワイアンの流れる海辺で
ビーチチェアーに身を委ね、
美女が運ぶトロピカル
カクテルを味わっていた。
『海は良いのぅ…♪』
前を通り過ぎるビキニ姿の
健康的な女性に、つぶらな瞳を
細めながら眩しそうに博士が
呟く‥
『ダメですよ!博士。
ナタリーちゃんに怒られ
ます!』
『儂は海が心地良いと
言っただけじゃ!
どうしてナタリーちゃんに
怒られるんだ?
大体、ナタリーちゃんは
今週一杯、パリで公演中じゃ!
デートは来週、カリブの
予定じゃよ!
早合点した君が余計な事を
言わなければな!』
『博士、僕は何も言いませんよ
それにしても…まさか本物の
ナタリーちゃんが博士と
デートする様になるなんて…
今回の平和記念功労賞を
貰えた事より驚きだ…』
後半、サミュエルは独り言の
様に小さな声で呟いた。
『ん?サム、何か言ったか?』
『いいえ…何も…。
博士は素晴らしい人だと
言ったんです♪
悩みの消えた人々のあの笑顔
それが何よりの証拠です!』
今言ったそれは
サミュエルの本心だった。