【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】
今、何となく後半に邪な内容の
説明があったような…。
サミュエルは気を取り直して
博士に言った。
『博士!これは素晴らしい
発明ですよ!
ちょっとビショビショになる
のは困りものですが…
そうすると、ハワイアンを
かければ自宅に居ながらにして
部屋で海辺のリゾート気分が
味わえる訳ですね!』
先ほど掛けられた水飛沫を
タオルで拭いながら
サミュエルが瞳を輝かせている
『その通りだ!サム。
いつまでもそんな格好を
していると風邪をひいて
しまうぞ。
君は着替えて来たまえ。
儂はこれからエドワード教授の
ところへ行って来る。
いいかね?サム!
儂が留守の間、くれぐれも
装置には絶対に触らぬ事だ!
頼んだぞ!いいな?』
『勿論ですとも!
触りませんよ。絶対に…!』
胸に右手を当ててサミュエル
が博士に誓いを立てた。
『うむ。では行ってくる…
頼んだぞ…。』
博士は白衣を脱ぐとネクタイを
整え、上機嫌で研究室を
後にした。
『ゴードン博士、お気を
付けて!』
こうして広い研究室内に
サミュエルと
バーチャルメーカーと
言う名の
装置だけが残された。