【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】


よりにもよってサミュエルが
選んだCDは、
《ザ・スプーキー・ナイト》
と言う名の曲であった!

ダニエルと共に目の前で
朽ちた死人達が機敏に
ステップを踏む。

『凄いや!やっぱり目の前で
見ると迫力が違うなぁ♪
カッコイイ~♪ダニエル最高♪
でも、ちょっとこの悪臭は…
辛いかも…。』

ゾンビ達が辺りに撒き散らす
死臭に思わず鼻を摘まみ
ながらサミュエルが眉を
潜めた。

暫くしてダンスは後半に
差し掛かった。

ダニエル・ジャンクションの
瞳も赤い光を放っている。

ゾンビ達がゆらゆらと
歩みを進めながらサミュエル
に向かって前進して来る。

ゾンビの朽ちた腕が千切れて
ボトリと落ちた‥。
その口の中にはムカデやらの
虫が蠢めいていた。

『うわっ!』

サミュエルの背中に悪寒が走る


『何だか…雲行きが怪しく
なって来たぞ…』

サミュエルは漸く自分の
措かれている状況に
気が付いた。

密室にゾンビご一行様と
彼独り…

サミュエルは後退りしながら
研究室の傍らにある筈の
昼休みに軽いストレッチがてら

素振りの練習をする為に
置いてあるバットを探した。

傍らには棍棒が落ちていた。

何となくだがバットに
似ている…。


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