【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】
周りのものが音楽に因って
変化したのだ!
バットは棍棒に、研究室の
ドアは金網フェンスに
デスクは墓標に変わっていた。
『ま、マズイぞ!装置を
止めなくちゃ!』
装置も出口も今はゾンビ達の
後ろにある。
サミュエルは、手にした棍棒を
握り締め、恐る恐るゾンビ達に
近付いた。
手を伸ばしかけたゾンビに
一撃を喰らわせると装置の
場所を目指す‥
装置らしきもののスイッチ
らしきものを押して装置を
停止させたつもりだが
状況は全く変わらない。
『おかしいな、
停止させたのにコイツら
消えないぞ!
そうか!スイッチを切っても
暫くの間、残像が残るのか!』
手の施しようが無い状況の中
このまま室内に居れば奴等の
餌食になってしまう!
サミュエルは、今はフェンス
となった装置の横の出口へと
急いだ。
フェンスの扉を開けると
急いで後ろ手に扉を閉め、
街の方へと駆け出した。
外に出ると、さっきまでの
雨は止んでいた。
が…!!!
研究室内と同様に辺りは
漆黒の闇に包まれ、空には
ポッカリと満月が
浮かんでいた。
周辺には人の気配も無い。