【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】
バーチャルワールド


『キャーーーー!!』

どこからともなく硝子を
金属で引っ掻いた様な
凄まじい悲鳴が聴こえて来た!

『ま、まさか!犠牲者が?』

気の弱いサミュエルに
助けられる術も無い。

サミュエルは恐怖と装置を
触った罪悪感と後悔に
打ちひしがれていた。

最悪は装置を壊すしか無い‥

サミュエルの足取りは加速した

研究所は既に殺伐とした
草むらになっていた。

敷地内に金網フェンスで
囲まれた墓地があり、
ゾンビ達がその中でダラリ
ゾロリと徘徊している。

研究所跡地に通じる道すがら
さっき放り投げた棍棒が
落ちていた。

サミュエルがそれを拾い上げ
ようと屈んだ時、背後で
馴染み深い声が彼を呼んだ。

『サム!』

サミュエルはギクリとして
上体を起こした。

『こ、これは一体…?
…装置を作動させたのだな?
あれほど触るなと言って
おいたのに…!』

『は、博士!
申し訳ありませんっ!』

サミュエルはそう言うや否や
博士の元へ猛スピードで
駆け寄った。

『なんと言う事を…。

よりにもよって化物を
呼ぶとは!

うーむ、しかし…
最後まで説明しなかった
儂の責任でもある…

ぐずぐすしてはいられない!
何とかあの中に入って
別なCDに替えるんだ!

ところで…君はこのCDを
どこまで再生させたのかね?
…まさか!』


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