angel or devil
p.m 1:00
「あれ?結華もう行くの?」
「ごめん。起こしちゃった?」
「大丈夫」
「今日麻奈と約束してるんだ。」
「そっか。気を付けてね。」
直輝と過ごすようになってから、会うのが少なくなってしまった麻奈と、今日は久しぶりに約束をした。
クローゼットの中から、直輝の服と一緒に並ぶあたしの服を取り、着替えようとした時
直輝の携帯が鳴った。
「もしもし………香織さん!?」
あたしに声をかけた後、また目を閉じた直輝は、携帯の画面を見た途端に飛び起きた。
香織?
お客さんかな?
「今どこですか!?はい。はい。そこにいて下さいね!!!」
「直輝?」
「わるい!ちょっと出てくる!」
ただならぬ雰囲気の直輝を見て胸騒ぎがした。
「待って!どこ行くの!?」
バタンッ
あたしの問いかけなど耳に入らないかのように、直輝は部屋着のまま家を飛び出した。
直輝のあんな顔……
初めて見た……
どこに行くの?
行かないでよ……直輝……