angel or devil



「すいません店長。結華ちゃん送ってきます。」


「あのくらいで泣かれちゃたまんねーなー」


!!


店長はわざとあたしに聞こえるように言った。



「店長。女の子が触られるって、どんな気持ちかわかりますか?
言葉に気をつけて下さい。」


「悪い悪い!じゃあよろしくなー!」



やっぱり斉藤さんは優しい。


"お尻を触られたくらいで"

と言う店長の言葉も頭では理解できたけど、あたしにとってはとても辛い事で……



だから、あたしの気持ちを代弁してくれるような、斉藤さんの言葉がとても嬉しかった。



「おつかれさまでした。」

あたしは制服のセーターの裾をギュっと掴み、店長の言葉にまた泣き出しそうになるのを必死でこらえた。





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