angel or devil

学校に着いて早々、教室の窓際にしゃがみ込んで携帯を見ていた咲希にあたしは駆け寄り


「咲希ー!!!あたし好きな人できたの!!」


咲希の目の前に膝で滑り込むようにしてあたしも座った。


「えぇ!?誰!?」


「咲希も知ってる人…」


「もったえぶらないで早く教えろ~!!」


恥ずかしさに言うのをためらうあたしの首を、咲希はふざけて掴みぶんぶん揺らす


「わかったわかったから~!!」


そう言いながらあたしは、あたしの首を掴む咲希の手を"ギブアップ"と叩いて示した。



咲希はすぐにあたしの首から手を放し

「誰!?」



「………斉藤さん」


咲希の問いかけに答えたものの、恥ずかしさに顔が熱くなる。


「………あの斉藤さん!?」


「うん…」



「結華趣味悪~い!!」



「えっ!?そう!?何で!?」



「ま~顔は悪くないけど~、親父じゃない!?
あたしは俊くんの方がいいなぁ~」



「え~俊くんはないよ~!!」



斉藤さんは23才で、15才のあたし達から見ればとっても大人。



俊くんは高3だから、普通なら俊くんの方が健全なんだろうけど。



「うちら男の趣味は合わなくてよかったねー!」


「ほんとだねっ♪」



あたしと咲希はそう言いながら笑いあった。


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