angel or devil

lover




「斉藤さん。今日何時上がりですか?」


斉藤さんは社員だから、その日によって上がる時間が違う。


「10時だよ。」

やった!!あたしと一緒だ!!




事務所でシフト表を書いていた斉藤さんに、あたしは唾をゴクンと飲み込み、目を瞑りながら


「い……一緒に!!帰りませんか……?」

勇気を振り絞って言った。



斉藤さんはあたしを見上げ

「そんな事言うとまた襲っちゃうぞ〜」


「も〜うっ!!」


いつもの冗談。



いつもあたしの事を可愛いだとか、そんな言葉を平気で言って……

だけど、冗談でも、あたしはそんな言葉ひとつひとつにドキドキしてしまう。



「じゃあ後でな♪」


ポンッ


斉藤はいつものようにあたしの頭をそっと叩き、またシフト表へと視線を戻した。



何気ない斉藤さんの行動が、あたしの想いを強くさせる。



あぁ……
どんどん好きになっちゃうよ……






< 138 / 287 >

この作品をシェア

pagetop