angel or devil
lover
「斉藤さん。今日何時上がりですか?」
斉藤さんは社員だから、その日によって上がる時間が違う。
「10時だよ。」
やった!!あたしと一緒だ!!
事務所でシフト表を書いていた斉藤さんに、あたしは唾をゴクンと飲み込み、目を瞑りながら
「い……一緒に!!帰りませんか……?」
勇気を振り絞って言った。
斉藤さんはあたしを見上げ
「そんな事言うとまた襲っちゃうぞ〜」
「も〜うっ!!」
いつもの冗談。
いつもあたしの事を可愛いだとか、そんな言葉を平気で言って……
だけど、冗談でも、あたしはそんな言葉ひとつひとつにドキドキしてしまう。
「じゃあ後でな♪」
ポンッ
斉藤はいつものようにあたしの頭をそっと叩き、またシフト表へと視線を戻した。
何気ない斉藤さんの行動が、あたしの想いを強くさせる。
あぁ……
どんどん好きになっちゃうよ……