angel or devil


不安に押し潰されそうで……
胸が苦しくて……


唾をゴクンと飲み込んだ―――



「慎…」


「うん?」



こわい……こわいよ……



慎はどんな顔をする……?



「あ……」



「どうした?言ってごらん?」



優しい慎の声に
導かれるように言葉にした



「あ……赤ちゃん…できたみたい……」



こわい…こわい………ッ!!



慎を直視できずに
膝の上で拳をギュっと握りしめ



「……………」


何も言わない慎に、あたしは震えながら涙を抑えた―――





やっぱり……困ってる……


そりゃ困るよね……


あたしだって困る……





でも……

もしかしたら……
喜んでくれるかもって……



どこかで期待してたのかも知れない……



慎ならって………


慎ならもしかしたらって……


もう帰りたい……


もう消えてしまいたい……


慎の困った顔なんて見たくない……



長い沈黙の中
慎を一度も見ずに、ひたすら涙をこらえた






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