angel or devil



「今からご両親に挨拶に行こう。」


やっと落ち着いたあたしを見て、慎はそう言った。




そうだよね……

言わなきゃいけないんだよね……



怒るかな……?


怒るよね……?


何て言うんだろう。


認めてくれるのかな……?


それとも……



不安でうつ向くあたしをよそに、慎は早々とスーツに着替た。



やっぱり大人だな……



慎のスーツ姿はいつもよりたくましく見えた。





「行こう。」


あたし達は慎の車に乗って、あたしの家に向かった。




だけど心の準備をする間もなく、すぐにあたしの家の前に着いてしまった。



「大丈夫?」


「うん。」


あたしの家の前に停めた車の中

慎は優しくキスをしてくれた。



「行こう。」





「緊張してないの?」

「馬鹿。逃げ出したいくらい緊張してるよ。」


そう言ってインターホンを押そうとする慎は

そんな風になんかとても見えない程にたくましく見えるよ?




だけど慎も緊張してるんだと思ったら、少しだけホッとした。



ピーンポーン




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