angel or devil
あたしはもう答えを探す事をやめた。
きっとどんなに探しても
あたしの頭の中から見つかる訳もないし、今ここにある事実が変わる事もない。
「失礼します。」
声に気付いてゆっくりと振り返ったあたしの、ぼんやりとした視界の中に、担架を持った救急隊の人達が映った。
それに続くように入ってきた、一際存在感を出した真っ黒なスーツ姿の男と制服姿の警察達。
「警察です。こちらへ」
スーツ姿の男は胸元から出した手帳を一瞬だけあたしに見せつけ、あたしの脇に腕を通した。
「…!?やめて下さい!!」
あたしは男の胸を力いっぱい押した。
「おいっ!!」
刑事はあたしの脇からするりと腕を抜き、大きな声で廊下に叫んだ。