angel or devil
「結華ちゃん。」
刑事の声で、制服姿の警察に連れられた慎のお父さんがあたしの元へきて、そっとあたしの肩を抱いた。
「はい……」
慎のお父さんの肩を借りてなんとか廊下に出たあたしを
「結華ちゃん………ッ」
慎のお母さんは強く抱きしめた。
「お母さん……あたし……」
「ごめんね……ごめんね結華ちゃん……」
「ぅぅ…………」
今まで涙を流すのも忘れていたあたしの瞳から、大粒の涙が無数に零れた。
お母さんは悪くないのに…
何度も何度も
あたしに"ごめん"と小さく呟いた。