angel or devil
「慎!!」
担架に横たわって廊下に出てきた慎に、あたしの足は無意識に動いていた。
「慎は…………?」
「まだ脈はありますが、とても危険な状態です。」
それだけ告げてまた足を進める救急隊員
「待って!!あたしも!!」
あたしは重いドレスを引きずりながら
力の入らない足で必死で後を追った。
「慎……慎………」
あたしの呼びかけに答える訳もないのに、あたしは必死に慎の名前を呼んだ。
「待ってよ……戻ってきてよ………」
慎………夢だと言って……
あたしは悪い夢を見てるんだって……
早く………
あたしを夢から目覚めさせてよ…………
慎………
慎…………ッ!!
馬鹿だな結華って………
夢から覚めさたあたしを………
愛してるって抱きしめてよ…………!!
《愛してる…愛してるよ結華…》
もう一度………
あたしにそう聞かせてよ…………!!