angel or devil
枕元に置かれた小さな細長い箱
既に開封された箱の横には、ビリビリに破かれた包装紙が小さく畳まれていた。
『結華 誕生日おめでとう。』
箱の上に置かれた小さなメッセージカードには、そう書かれてあった。
慎の字だ……
そっか……
あたし誕生日だった……
複雑な気持ちで箱を開けると
そこには小さなハートの中に小さなダイヤがキラリと光るネックレス
「うれしくないよ………」
「あの部屋に置いてあったって。」
戻ってきたママはそう言った。
あの部屋………
ママの言葉で"あの部屋"の映像が蘇る――
「ぅぅ…………」
何とも言えない吐き気と共に、あたしの瞳から涙が溢れた。
「行っていいって。行ける?」
「ぅん………」
絞り出した声で小さく頷き、手で涙を拭った。