angel or devil
力ない体で点滴を引きずり、ママに付き添われて慎の病室に入ると
「結華ちゃん……」
慎の両親は立ち上がり
「本当に申し訳ありませんでした!!!!」
穏やかなお父さんからは想像も出来ないような大きな声を出し、床に額を押し付け土下座をした。
そんなお父さんの姿に、妊娠を報告した時の慎の姿が重なって見えた。
「何か合ったらすぐに呼んで下さい。」
そう言って看護師さんは気まずそうに病室を出て行った。
「お父さん……謝らないで下さい……」
「本当にごめんなさい…」
「お母さんまで………
もうやめて下さい……
二人のせいじゃありませんから………」
いつまでも顔をあげない二人の後ろに
…………?
咲希の両親の姿があった。
そうだ……咲希も……
「結華ちゃん……何がなんだか……咲希は……咲希はどうして……」
そう言ってあたしの肩を掴んだ咲希のママの手は、力を無くして床に落ちた。
そんな咲希のママを見下ろしながら
「わかりません………私には何も…………」
震える拳をぎゅっと握りしめた。
「…………」
「咲希は……?」
「意識不明の重体―――」