angel or devil
everything
それから一ヶ月
あたしが慎の元へ行く事は一度もなかった。
慎はあたしを必要としていない。
永遠の愛を誓った二人が眠る病室に、"行きたい"だなんて微塵も思わなかった。
きっと、
あれが全て。
あれが真実。
あたしを少しでも愛していたのかとか、聞きたい事は山程あった。
でも
もういいの。
今さら何を聞いたって、何を知ったって、何の意味もない。
少しは救われる?
ううん。
あの日の突き付けられた現実。
その真実は変わらない。
慎のお母さんから、二人は意識が戻らないままと電話で聞いた。
あたしはもう関係ない。
神様の前でも
法律の前でも
あたしと慎は誓っていない
慎との赤ちゃんももういない
残されたのは数年の記憶と
あの日慎からもらったネックレスだけ
今まで誕生日でも、クリスマスでも、お祝いするだけでプレゼントはなかった。
慎からの初めてのプレゼント
そして最後のプレゼント