angel or devil
家は鉄骨だけ残り、二階部分が少しだけ燃えずに崩れ落ちた。
さっきまでそこにいたと言うのに、何故か他人事のように感じる自分がいた。
そんな中あたしとヒロは警察官に付き添われ、パトカーで警察署に向かった。
「あれ?この前の花嫁さん?」
あの日いた刑事……
「若いのに大変だな。」
そう言って刑事があたしの頭をポンっと叩いた瞬間―――
気が抜けたのか
お父さんの姿を重ねたのか
それとも
慎の姿を重ねたのか
あたしの瞳からは涙が溢れ出した。
それを見た刑事はあたしをそっと抱きしめ、あたしは"少しだけ"と刑事さんの胸を借りて泣いた。