angel or devil
第四章 闇に咲く華
悪戯〜体温〜
「おつかれさまでーす」
「今日送りは?」
「お願いしまーす」
最近あたしは毎週edenに通っている。
別に何も求めてない
ホストなんかに……
何も期待してない
あの時、直輝のキスを目撃したあの日
「ここにもまた来る」
そう言ってしまったから、意地になって通っているだけ………
でも、本当は……
何故かあなたに会いたくて……
あなたの事
どうしても頭から離れなくて……
「車来たからみんな下降りてねー!おつかれさまー!」
ビルの下にはいつものように
スモークが貼られ、真っ黒な窓の車が複数台並ぶ。
「美月さんはこっちね!」
あたしはいつものように、その中の一台に乗り込んだ。
「じゃあ出るよー」
車が走り出そうとしたその時―――