angel or devil
………!?
まさかな………
黒いシートが貼られた窓から見覚えのある男が微かに見えた。
その姿を映した瞬間、あたしの記憶は鮮明に蘇った。
でも……
そんなわけ………
「すいません!あたし降ります!」
「えっ?送りいいの?」
あたしは思わず車を降りた。
そんなわけない……
こんな所にいるわけ……
送りの車はあたしを置いて走り出した。
あたしはredmoonの向かいの店の前をボーっと見ていた―――
そんなわけ………
あたしの足は無意識にそこへ向かっていく―――
プップー!
「危ねぇぞ!姉ちゃん!」
そんなわけ………
そんなわけ………
「結華…………!!」
あたしの名前を呼ぶ声……
その声は確かに―――――