angel or devil
あたし達が通された席は、あたしが酔ってここへ来た時、初めて直輝に抱きしめられた場所だった。
慎との望まない再会をし、逃げるように直輝を求めた。
《好きすぎてどうしたらいいかわかんねーよ!!!》
あの日のあたしと直輝を
テレビ画面の先に見ているかのように、あたしの瞳の中のレンズにあの日の二人の姿が映し出された。
「失礼しまーす!!結華さんっ」
「あ……」
一也くんがあたしの前の席に座ると
「あなたこっち!!」
葉月さんはソファーを叩いて一也くんを呼んだ。
「今直さん来ますよー?」
「いいの!」
葉月さん……
変な気使わなくていいのに………
でも……話したい。
少しでも……
「あれ~?俺こっちすか?」
「この子も可愛いじゃない♪今日はこの子がいいわ♪」
「なんすかそれ~!!」
直輝の声………
ずっと聞きたかった……
ずっと………
会いたかったよ……