angel or devil
さようなら
今度こそ……
初めから……
あなたなんか愛してない……
あたしだって……
愛してなんかなかったから……
「じゃあ行きましょうか。」
「お帰りですか?今お呼びしますのでお待ち下さい。」
「お待たせしましたー!下まで送ります!」
「ありがとう。楽しかったわ。」
エレベーターを待っている少しの時間ですら
あたしには、とても長い時間に感じられた。
もう揺るがない
あたしは二度と誰も
愛さない
信じない
「じゃあね。頑張りなさい。」
「はい」
あたしの瞳は一度も直輝を映す事なく、あたしは車に乗り込んだ。
ウィーン
葉月さんは窓をあけ
「また来るわ。出して」
直輝にそう告げると、車は走り出した。
「………か…」
「結華…………ッ!!!」
えっ………?
「結華ァァァァァ!!!!」
直輝の叫び声に驚き振り返ると
ガラスの先には地面に崩れ落ちる直輝の姿があった。
どうして………?
「いいの?」
「はい。もういいんです……」
もう………
あたしは前を向き、拳をギュっと握り締め
もう二度と開いてしまわないように
心に鍵をかけた