angel or devil

epilogue




それから数日後
香織さんは赤ちゃんと共に自宅へと戻った。





5月12日

誠さんと香織さんの愛の結晶

かけがえのない存在



りおちゃんがこの世に生を受けた日






5月14日

香織さんの愛するただ一人の夫

りおちゃんのたった一人の父親



誠さんがこの世から去った日










香織さんに招かれ、俺は香織さんとりおちゃん住むアパートを訪ねた。





香織さんは隣の和室に置かれた
小さな布団からりおちゃんを抱きあげ


「あの時はごめんなさいね……あたしも混乱してて……」


そう言いながら
テーブル越しの俺の前に置かれた座布団に腰を下ろした。



「いえ、全て俺の責任です。俺が……俺が誠さんを――」

「もうやめて……?直くんがいくら責任を感じたって、まーくんはもう戻ってこない。

どうせ同じ事なら、直くんには普通に生きてほしい。」



「…………」



「まーくんは直くんを本当の弟みたいに思ってた。
まーくんが命懸けで守った命。こんな結果になってしまったけど……直くんには幸せに生きてほしい。」



「香織さん……」



「ただね。もう二度とこんな事が起こらないように……わかるよね……?」



「はい……」



「りお………抱いてあげて?」


そう言いながら香織さんは俺の横へ来て、りおちゃんをそっと差し出した



「こ……こわいな……」



「大丈夫よ。優しくね。」




産まれたばかりのその命は



すぐに壊れてしまいそうな程に儚くて



優しくて



暖かかった








そして



自分のした事の罪の重さを



ひしひしと感じた








この時俺は心に誓った









俺が守ると





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