angel or devil



あまりに予期せぬ結華との再会に、俺の心臓は激しく脈を打った



会いたかった……


ずっとずっと……




今、この瞳に


紛れもない結華の姿が映っていて


結華の瞳には俺が映っている




どんなに望んでいた事か……




忘れようと思っても




ダメだって言い聞かせても




君は俺の心から出て行ってはくれずに




ずっと俺の胸を締め付けた





「あら〜!そう!知り合いだったのね〜!」



葉月さんの声で我に返り、溢れだしそうな気持ちを抑え



「何やってんの?早く来いよ。」



結華の元まで行って、腕を掴んだ



「直輝……」



小さな声で俺の名前を呼ぶ結華の瞳は、少し悲しそうに見えた



「ほら!早く来いよ!」



本当は今すぐにでも結華を……



「よくわからないけどっ!行くわよ美月!」



「あたし………帰り…ます……」



「来なさい!オーナー命令よ!」



「はい!!」





抱きしめたいよ





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