angel or devil
「また来るわ。出して」
一度開いた窓ガラスは、葉月さんの声と共にまた閉まっていく――
俺と結華の
束の間の再会と、永遠の別れを映すかのように――
「………か…」
遠くなっていく、結華を乗せた車が
"もう二度と会う事もない"と
俺に告げているような気がした
「結華…………ッ!!!」
俺は………
俺は…………ッ!!!
「結華ァァァァァ!!!!」
"さようなら"
耳元でそう聞こえた気がして、俺は力を無くした
俺は…………
結華を愛してる
どれほど愛していたのか
どれほど愛しているのか
量りにはかけられないけれど
俺は
どうしようもないくらいに
君を愛してる
例えもう二度と会えないとしても
君だけを想っているから――