angel or devil
結華の病室に戻った俺は、結華の眠るベッド横のパイプ椅子に腰をかけ
ふとベッドサイドの台に目をやると、さっきまで結華が持っていた薬袋が目に留まった。
ただの風邪くらいで処方される薬の量じゃない……
そう思った瞬間にはもう
無意識に薬袋を開けていた
輪ゴムで束ねられた沢山の薬
その中の一枚の紙切れに気付き、俺はそれを取り出した。
「!?」
薬の説明書のような紙には、見慣れないカタカナの文字が並んでいて
カタカナで書かれた薬名の横にどれも
《精神を安定させるお薬です。》
《うつ症状に使います。》
などと書かれていた。
俺は医者でもないし、こんな薬を見たことも飲んだ事もないが
どんな病気かは検討がついた。
《心の闇》
そんな目には見えないもの
でも、結華には確かに存在している
その現実を、初めて突きつけられた。
《直輝~♪》
あの笑顔の奥にもずっと
それは存在していたのだろうか……