angel or devil
説明書を袋の中に戻すと
俺は眠る結華の手をギュっと握った
「結華……」
ピクッ
「結華……!?目が覚めた?」
俺の声に気付いたのか、結華はうっすらと目を開け
ぼんやりと俺の顔を見つめた
「結華!!」
「………」
「おい!大丈夫?」
結華は眉間に皺を寄せ、点滴の刺さっていない方の手で目をこすると
「直輝!?本物!?」
少し裏返った声でそう言った。
本物って………?
「まだフラフラする?病院だよ。わかる?」
「ボーッと………」
問いかけに答える結華に、俺は無意識のうちに
「いつから?結華いつからこんなに薬………」
と言うと、結華は一瞬顔を強ばらせ
「俺といた時も飲んでたのか?」
「…………」
そんな俺の問いかけに、結華は何も答えず下を向いた