angel or devil
第二章 触れられる距離
rain
『24時間営業
カラオケ rain』
「おまたせ」
カラオケのフロントで二人を待っていたあたしと麻奈の前に、夜咲直と優夜くんはスーツ姿のまま現れた。
店では気付かなかったけれど、二人ともかなり背が高い。
細身のスーツがとてもよく似合っていて、二人ともやっぱりかっこいい。
"ホスト"と名乗るようなスーツさえなければ、芸能人にでも間違えられそう。
麻奈は直ぐ様優夜くんに抱きつき
「おつかれさまでしたっ♪
さっ♪早く入ろ」
「行こ」
「うん」
夜咲直は座っていたあたしの前に、そっと手を差し出てくれたけど、あたしはその手を掴まずに一人で立った。
「205号室…ここだ♪」
狭い部屋
4人座るのがやっとなL字のソファー
奥のソファーには麻奈と優夜くんが順に座り、続いてあたしと夜咲直もソファーに腰をかけた。
「みんな何頼む〜??」
「俺生」
「俺も生」
まだ飲むの!?
二人とももう十分酒臭いんですけど……