angel or devil
「結華はさ、彼氏とかいるの?」
「………いないけど」
「俺の事どう思う?」
「かっこいいと思うよ?」
「じゃあさ…つ………」
「つ?」
「あ゛〜!なんでもない!」
もどかしそうな直輝。
何なの?
「じゃあ麻奈歌いま〜すっ♪」
スピーカーから麻奈の陽気な声が聞こえた。
慣れないワインのせいか、いつもより酔いが回り、少しぼやけたレンズで部屋を見渡すと
優夜くんは酔っているのか、さっきまでとは全く違う甘い表情で麻奈の髪を撫で
直輝は妙なテンションで手を叩いていた。
「直輝ー!かっこいいよー!」
バラードを歌い始めた直輝の姿に……胸が締め付けられるように苦しくなった―――
ダメだ……酔ってる……
「結華歌いまーすっ!
あにゃたに%*@£♪…」
「……………」
あたしの目からは一筋の涙がこぼれ落ちた……
「結華?」
「……………」
もう嫌…………