angel or devil
俺と優夜は二人が待つカラオケに向かいながら
「優夜さぁ、頼むから手出さないでくれよ」
「ふーん。本気なんだ」
「よくわかんねーけど…」
「直があの子を見た時の顔、笑えたもんな」
「……………」
誰が見てもわかるくらいだったんだな……
自分でも何が何だか………
とにかく他のやつに天使を渡したくない。
触れさせたくない。
俺はそんな気持ちを初めて抱いた。
「おまたせ」
俺と優夜はカラオケに着き、俺は座っていた天使の前に手を差し出したけれど、天使がその手をとってくれることはなかった。