angel or devil
プルルルル…
プルルルル…
結華の寝顔を見ているうちに、いつの間にか俺も寝ていたようだ。
プルルルル…
プルルルル…
静かな部屋にはフロントからの電話が鳴り響いている。
「ん~………!!」
音に気付き、目を覚ました結華は俺の顔を見上げ、慌ててソファーに座りなおした。
プルルルル…
「あ、電話」
「もしもし、はい。はい。」
「もう時間?」
「うん。二人起こさないと。」
「寝ちゃったみたいで……
ごめんね。」
くちゃくちゃの髪で、少し顔を赤らめて謝る結華の姿に、
胸が掴まれたように苦しくなった。
「俺も寝てたから」
俺達は優夜と麻奈ちゃんを起こし部屋を出て、
フロントで支払いをしようとする俺に
「出すよ」
結華が札を差し出した。
「俺が出すって言ったじゃん」
「でも…」
「ほんとに」
「ありがとう。」
若いのにしっかりしてる子だな。