angel or devil
外に出た俺たちを、眩しい陽射しが照らしつける。
サラリーマンや子連れの女
街行く人達の視線は俺達に集中する。
眩しい太陽は似合わない
霞んだ月の光る街に生きるホスト……
太陽は俺達を歓迎などしてくれない。
「じゃあ俺帰るわ」
「え~!待ってよ~!」
足早に歩いて行く優夜の後を麻奈ちゃんは追いかけ
「結華~!後で連絡するね~!
直ごちそうさま~!」
後ろ歩きで俺たちを見ながら麻奈ちゃんは手を振った。
「送って行くよ」
「大丈夫。タクシー拾うから」
「危ないから送らせて」
「夜道じゃないんだし、一人で帰れるよ」
俺はもう少しそばにいたくて……
ここでさよならなんて嫌で……
せめて結華の家の前まで……と思ったがばっさり切られた。
「番号聞いてなかった」
"番号教えて下さい"とか、そんな堅苦しいのじゃなく、軽いノリで聞けば教えてくれるだろうと思ったが
「携帯もってないんだー」
え――――!!?
持ってるとこ見たよ!?
いくら何でも今時そんな断り文句ないだろ……