angel or devil
やっぱり俺、完全に相手にされてない……
むしろ番号すら教えたくないほどに嫌いなのだろうか……
「またお店行くから」
「店には来なくていいから。俺は二人で会いたい。」
軽いノリで言ったんじゃない。俺は真剣に、勇気を出して言ったんだ。
「また行くから」
なのに君は……
俺の言葉を簡単にも切り捨てる。
「これっきりで終わり?もう会えないの?」
"また行く"だなんて、今を切り抜ける為の口実だろう。
たとえ相手にされてないとしても、俺はこれっきりなんて絶対に嫌だ……
「必ず行くよ」
きっと来ない。
でも、優夜に頼んで麻奈ちゃんに番号を教えてもらえばいいや。
「約束だよ」
「うん。約束」
結華は少し微笑んで見せた。
「必ずまた」
「うん。またね」
結華はタクシーの中から俺に小さく手を振った。
俺はタクシーが見えなくなるまでずっと見ていた。
君を想いながら