angel or devil
「あっ!お姉さ〜ん!可愛いね〜!今からうちの店こない?」
会いたい……
「今暇ですか?」
会わない……
あの時と同じネオン街
湿ったアスファルトを歩くあたしは、かけられる声を気にも止めずに、心の中でひたすら呟いていた。
会えない……
会いたい……
あたしの足はedenのビルの前で止まった。
直輝……
「……………」
ここまで来てしまった……
……………来たかった?
《またね》
直輝は約束を覚えているのかな。
待ってるはずなんてないよね。
あたしは直と出会った沢山の客の中の一人の客だから。
もう忘れてるかも知れない。
でも……
少しだけ話して帰ろう。