angel or devil
「お願い~!!優夜紹介したいし~!!結華のタイプの超イケメンもいるから~!」
麻奈が優夜と出会ってから半年が経ったけど
特に麻奈が貢いでいる様子はない。
ただ毎週数回、相変わらず店に通っている。
麻奈は自分の給料の範囲内でやってるみたいだし、あたしは深く突っ込むのを止めた。
「今日こそお願いっ!!優夜も会いたがってるし~!」
彼女の友達に会いたいなら普通、店に呼ばないよね?
仕事中に紹介?
ありえないでしょ。
あたしは麻奈と夜の繁華街を歩きながら、心の中で呟いた。
「ここ~♪」
麻奈の指の先に視線を向けると
ネオン街の中で一際光を放ち、存在感を出すビルが建っていた。
「ほらっ♪行こっ♪」
ネオンの光を見つめるあたしの手を、急かすように麻奈は強く引いた。
まーいーか……
ここまで来ちゃったし、今日くらい……