angel or devil
赤い月
《やめて!!!!!》
結華……
《やめて!!!!!》
『お客様の番号はお繋ぎできません…』
あの日を最後に結華は俺の前から消えた。
《うざいから切った》
麻奈ちゃんもあの日から見ていない。
結華と俺を繋ぐものはもう何もない。
結華と出会ってからあの日まで、一年の半分の時を過ごしたのに……
俺が知ってる結華の事と言えば
名前と歳
いつもedenで飲む一杯のシャンディガフ
繋がらない携帯の番号
そんな事くらいで
eden以外での結華の事など、何一つ知らないままだった。
俺はもうどうしたらいいかわからずに
edenの扉についた鈴の音に耳を澄まし、鈴が聞こえる度にそこに、来るはずのない結華の姿を探していた。
会いたい……
会いたい……
結華……
何度も心の中で呼んだ。
どこにいても
何をしてても
俺の心はずっと、結華を探していた。