angel or devil
『club redmoon』
デカいビルのワンフロアーに、一軒の店。
こんな駅前の繁華街で、これだけ大きな土地を構えているなんて、よっぽど人気で売り上げのある店なんだろう。
店に入ると、燃えたぎる炎が俺の目に飛び込んだ。
天井の丸い大きな鏡はその炎を映し出す。
"red moon"
まるで赤い月のように。
「洒落た店だな。」
「わぁ~!!すげえ~!」
「いらっしゃいませ。」
キャッシャー前で、気品あるスーツ姿の男が深々と頭を下げた。
明らかに若そうな一也と悟は身分証明書の提示を求められ、不満そうな顔で身分証を出している。
「失礼だな~!」
「申し訳ありません。」
「アリスさん指名したいんすけど♪」
「申し訳ありません。アリスは本日出勤しておりません。」
「え~!まーいっか♪可愛い子お願いしまーすっ!」