angel or devil
どんなに想っても届かない。
もういい加減諦めなきゃいけないんだろうな。
でも、俺は諦めきれずにいる。
いつかまた会える…
そう希望を捨てきれずにいる。
「おまたせ致しました。美月さんです。」
「ご指名頂きありがとうございます。美月です。」
俺の背後から聞こえる声は結華に少し似ている。
結華の事を考えているからそう聞こえてしまうのだろう。
でも結華はこんなに気品のある声じゃない。
「あっ……」
「あれっ?結華さん?」
「えっ?」
ドクッ
一也の声に耳を疑った。
「あぁ、直の」
前田さんの言葉にまさかと思い振り向くと
「結華……」
「……直輝」
そこには夢にまで見た結華の姿があった。
でも……
俺の知ってる結華じゃない。