angel or devil


「ごちそうさまでした♪」

「じゃあ行こうか。」


綺麗に盛られた料理はいくつも手付かずのまま、あたし達は店に向かった。




「いらっしゃいませ。佐久間様。」


佐久間さんが来る時は必ず開けておく部屋

一番高いVIPルーム


「着替えてきますね。」


「ゆっくりでいいからね。」






更衣室に入ると、店の女の子達があたしに群がる。


みんなの目当てはわかってる。


あたしがいつも持ってくる紙袋。


みんなその袋の中身に興味深々。




あたしが袋を開けて見せると

「きゃー!可愛いー!いいなー!」


「じゃんけんして決めてね♪」


「きゃー!きゃー!」




佐久間さんはあたしに、何をあげたかなんて覚えてない。


きっと誰かが買ってきた物をあたしにくれている。


あたしの部屋の中で袋に入って眠ったままよりも、喜んで使ってもらえる方がブランド品達も幸せだろう。



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