オレンジ
そうつぶやきながら口にした
オレンジジュースは
いつもより酸っぱく感じた。
そして、駅のゴミ箱に
ペットボトルを捨てて
自転車に乗り自宅へと帰る。
胸ポケットに手を入れ
コインを取り出すと
500円玉だった。
数日後、その店でいつもの
オレンジジュースを手にすると
後ろから
『もう1本買って!』
「えっ!?」振り向くと、
あの時の彼女だ
『お金、余ってるでしよ!』
言われるままに2本買って
外に出て彼女に1本を渡すと
去っていった。
ますます意味がわからなくなる。
だが、心のどこかで
「また会えるかなぁ?」
そんな気持ちが芽生えた