オレンジ
自分もいつもの電車に
乗ろうと走って10番
ホームに着いたが電車は
出ていた。
仕方なく
各駅停車の電車に乗り
席を探していると
2人掛けの席に彼女がいた。
近寄ろうとしたが
新幹線が到着したのだろう、
多くの乗客が乗り込んで
彼女の横の席も埋まり
満員状態になって
近寄れなくなった。
彼女は自分よりも2駅前で
降りたのだけはわかった。
今日のオレンジジュースは
開けることもできず、
帰って冷蔵庫に入れた。
次の日、
部活を早退していつもより
2時間早く駅に着くと
コンビニへと向かうが
いつもの時間になっても
現れなかった。
なに期待してんだろう、
電車も各駅停車に乗ったが
彼女の姿を見つけることは
できなかった。
今日は買うことのなかった
オレンジジュース。
帰って彼女のことを考え
冷蔵庫をあけると
ペットボトルはなく
姉の手に握られていた