ひまわりが咲く頃に
瞳は髪と一緒の茶色っけ。
整った顔は周りの男子とは比べ物にならないくらい。
しゃんとしたブレザーの制服は、もう少し崩せばもっと女子が寄って来そう。
「やっぱ都会っ子は違うねぇ」
「え?都会の子なの?」
「聞いてなかったの?東京から引っ越して来たんだって」
あたしの質問に答えながらも美穂の視線の先には、瀬戸優木の姿。
美穂は案の定、瀬戸優木に惚れ込んでしまったらしい。
瀬戸優木に興味があるわけではない。
ただ……こんなにかっこいい人が突然現れるなんて想像もつかなくて。
よくある少女漫画のような感覚が襲った。
「水原さんはクラスの中で一番背が小さいんだー」
「うんっ…小さいと苦労するんだよぉ?」
「でも俺は小さい女の子の方がタイプだけど」